沖縄には数え切れないほどの魅力的なカフェが点在していますが、その中でも「観光客に教えたいけれど、本当は秘密にしておきたい」と思うようなお店は、地元に住んでいるからこそ見つけられるものです。
この記事で紹介する10軒のカフェには、以下のような選定基準を設けました。
1. 観光地化されすぎていないこと
有名観光地の目の前にあるカフェではなく、少し奥まった場所や、地元の人たちに長く愛されているカフェを優先的に選びました。観光客でごった返すことなく、ゆっくりとした時間を過ごせるのがポイントです。
2. ローカル感・独自性があること
沖縄らしい雰囲気を持つお店や、オーナーのこだわりが感じられる内装、手作りのメニュー、古民家を改装した空間など、「ここにしかない」と感じられる個性も重視しました。
3. 味・雰囲気・ホスピタリティのバランス
美味しいだけではなく、居心地の良さやスタッフの温かい接客も大切です。沖縄特有の“島時間”を感じながら、心からくつろげる空間があるカフェを選んでいます。
4. SNS映えよりも「また来たくなる」かどうか
見た目が華やかでも、一度きりで満足するカフェではなく、何度でも通いたくなるような「心に残る味と体験」があるかを重視しました。
旅の思い出に残るのは、意外とこういった場所なのです。
本当は秘密にしたいカフェ10選(一覧)
ここからは、地元在住の筆者が実際に足を運んで、「本当は教えたくないけど、ぜひ訪れてほしい」と思った沖縄のカフェを10軒ご紹介します。
どのお店も個性的で、それぞれに違った魅力があります。観光スポットから少し外れた場所にあるため、事前に場所や営業日を確認してから訪れることをおすすめします。
以下が今回ご紹介する10のカフェです。
1. カフェこくう(本部町)
やんばるの自然に囲まれた高台にある、静かで落ち着いた空間。ヴィーガンランチとスイーツが人気。
2. 風樹(南城市)
沖縄の古民家を改装した癒しのカフェ。大きな窓からは南部の海を一望でき、心が洗われるような時間が流れます。
3. たそかれ珈琲(読谷村)
独特な店名に惹かれて入ると、そこはこだわりのスペシャルティコーヒーが味わえる隠れ家空間。落ち着いた読書タイムにも最適。
4. カフェやぶさち(南城市)
絶景のロケーションで人気ながら、観光客にあまり知られていない穴場。海を見下ろしながら食事ができる。
5. ニライカナイカフェ(恩納村)
やんばるの自然と調和した建物と、スピリチュアルな雰囲気が魅力。沖縄ならではの食材を使った創作メニューも見逃せない。
6. YAMADA COFFEE OKINAWA(那覇市)
那覇の住宅街にひっそりと佇む自家焙煎の名店。コーヒー好きにはたまらないクオリティ。
7. ひばり屋(那覇市)
都会の中のオアシス。緑に囲まれた庭園の中にあるオープンエアのカフェで、時間がゆっくり流れます。
8. カフェオハナ(今帰仁村)
今帰仁城跡の近くにあるアットホームな雰囲気のカフェ。地元の食材を使った手作りスイーツが人気。
9. HAPI TAPI(うるま市)
海中道路の近くにあるカフェで、地元民からの支持も厚い。テラス席では潮風を感じながら食事が楽しめます。
10. しまドーナッツカフェ(宜野湾市)
自家製ドーナツとシンプルながら丁寧に淹れられたコーヒー。子連れにも優しい作りで、地元家族にも人気。
各カフェの詳細紹介(1〜5)
ここからは、先ほどご紹介した10軒のうち、前半の5軒を詳しくご紹介していきます。
アクセス方法やおすすめメニュー、現地ならではの魅力も丁寧にお伝えします。
1. カフェこくう(本部町)
場所・アクセス
本部町の高台にある、自然に囲まれた一軒家カフェ。ナゴパイナップルパークから車で20分程度。
雰囲気
店内は木の温もりを感じるナチュラルな空間で、窓の外には緑の森が広がります。鳥のさえずりや風の音がBGM。
おすすめメニュー
- 日替わりヴィーガンプレート(地元野菜中心)
- 手作りの豆乳スイーツ(ケーキ・マフィンなど)
- オーガニックコーヒーやハーブティー
地元民目線の魅力
混雑知らずで、まるで自分の秘密基地のように静かに過ごせる場所。季節の移ろいを五感で感じられるのが魅力です。
2. 風樹(南城市)
場所・アクセス
南城市の高台、知念岬公園の近くに位置。車で那覇空港から約40分。
雰囲気
築50年以上の古民家をリノベーション。赤瓦の屋根と木の柱、庭の花々がまるで映画のワンシーンのよう。大きな窓からは青い海が一望できます。
おすすめメニュー
- 沖縄そばをアレンジしたランチプレート
- 黒糖ジンジャーラテ
- 自家製ぜんざい(夏はかき氷に)
地元民目線の魅力
観光客が少なく、落ち着いた雰囲気。晴れた日の午後に行くと、時間が止まったような感覚に浸れます。
3. たそかれ珈琲(読谷村)
場所・アクセス
読谷村の住宅地にひっそりと佇むカフェ。座喜味城跡から車で約10分。
雰囲気
小さな店舗ながら、コンクリートと木を組み合わせた洗練された内装。照明も控えめで、静かに読書や作業をするのに最適。
おすすめメニュー
- ハンドドリップのスペシャルティコーヒー
- 自家製スコーン
- 季節のチーズケーキ
地元民目線の魅力
珈琲の香りと丁寧な接客が印象的。「ちょっと一息つきたい」ときにぴったりの場所です。
4. カフェやぶさち(南城市)
場所・アクセス
南城市の高台にあるカフェ。ニライカナイ橋を渡ってすぐの場所。那覇から車で約30分。
雰囲気
モダンな建物からは東海岸の絶景が一望。特にテラス席から見る朝日や夕暮れは格別。
おすすめメニュー
- やぶさちランチ(沖縄食材を使った創作料理)
- 黒糖カフェラテ
- 月桃ティー
地元民目線の魅力
地元の人もドライブの途中に立ち寄る定番スポット。海を眺めながらのんびり食事ができる贅沢な時間が魅力です。
5. ニライカナイカフェ(恩納村)
場所・アクセス
恩納村の山側、緑に囲まれたエリアにひっそりと建つカフェ。リゾートエリアからは車で15分ほど。
雰囲気
木々の中にひっそりと佇む、スピリチュアルな雰囲気の空間。手作りの家具やアート作品が並び、心が落ち着きます。
おすすめメニュー
- 島野菜のスパイスカレー
- 自家製酵素ジュース
- 琉球ハーブのハーブティー
地元民目線の魅力
瞑想やヨガのワークショップも行われることがあり、心身のリフレッシュにぴったり。観光の疲れを癒したいときにおすすめ。
各カフェの詳細紹介(6〜10)
ここからは、後半の5軒をご紹介します。
那覇市内の穴場から、離島に向かう途中に立ち寄れるカフェまで、個性豊かなお店をお楽しみください。
6. YAMADA COFFEE OKINAWA(那覇市)
場所・アクセス
那覇市壺屋の静かな住宅地にある自家焙煎コーヒー店。国際通りから徒歩10分ほど。
雰囲気
白を基調とした清潔感ある空間。洗練されていながらも温かみがあり、珈琲に集中できる“静けさ”がある。
おすすめメニュー
- シングルオリジンのハンドドリップコーヒー
- 焼き菓子(バターケーキ、スコーンなど)
- カフェラテ(ラテアートも美しい)
地元民目線の魅力
バリスタが丁寧にコーヒーの特徴を説明してくれるため、好みに合った一杯に出会える。コーヒー通の間でも評判が高いお店。
7. ひばり屋(那覇市)
場所・アクセス
那覇市牧志、やちむん通りの裏手にある路地裏カフェ。国際通りからも徒歩圏内。
雰囲気
木漏れ日が気持ちいい中庭にテーブルが並ぶ、完全オープンエアのカフェ。木や植物に囲まれており、那覇とは思えないほど静か。
おすすめメニュー
- アイスコーヒー(シンプルながら深みのある味)
- 季節限定スイーツ
- 手作り黒糖ジンジャーシロップ入りドリンク
地元民目線の魅力
「ただ座っていたい」と思える、癒しの空間。観光で歩き疲れたときの“隠れ休憩所”としても重宝される。
8. カフェオハナ(今帰仁村)
場所・アクセス
今帰仁城跡から車で約5分。のどかな農道の途中にあり、少しわかりづらいが、その分静かで穴場的。
雰囲気
ハワイアン×沖縄のミックステイスト。木造の建物に観葉植物が多く飾られており、どこか南国の家に来たようなリラックス感。
おすすめメニュー
- ロコモコプレート
- トロピカルスムージー(マンゴー・シークヮーサーなど)
- 手作りレモンケーキ
地元民目線の魅力
家族連れでも気兼ねなく楽しめる空間。時間帯によっては地元の子どもたちが遊びに来ていたり、ローカル感たっぷりです。
9. HAPI TAPI(うるま市)
場所・アクセス
海中道路の手前にあるカフェ。那覇から車で1時間ほど。ドライブ途中に立ち寄るのにぴったり。
雰囲気
海を望むテラス席が人気。内装はカジュアルで開放感があり、晴れた日は外の空気を感じながらゆったり過ごせます。
おすすめメニュー
- タコライスプレート
- 島バナナのスムージー
- シークヮーサーソーダ
地元民目線の魅力
週末はローカルの若者や家族連れで賑わう人気スポット。テイクアウトして海辺で食べるのもおすすめ。
10. しまドーナッツカフェ(宜野湾市)
場所・アクセス
宜野湾市の住宅街にある、小さな焼きドーナツ専門カフェ。普天間神宮から車で約5分。
雰囲気
ナチュラルな木目調の内装で、雑貨店のような可愛らしさ。小さいながらも清潔感とあたたかさが感じられる空間。
おすすめメニュー
- 焼きドーナツ(紅芋・黒糖・塩チョコなど)
- オーガニックコーヒー
- お子様向けの小さなジュースメニューもあり
地元民目線の魅力
子連れにも優しい設計で、地元のママたちに人気。素材にこだわったやさしい味のドーナツは手土産にもぴったりです。
カフェ巡りのコツとマナー
沖縄のカフェを心ゆくまで楽しむためには、いくつか知っておきたいコツやマナーがあります。
観光地でありながら、地元の生活の場でもある沖縄。カフェ巡りをより心地よく、そして地元の方々への配慮も忘れずに楽しむために、以下のポイントを意識してみてください。
1. アクセスは基本的に車移動が前提
沖縄の多くのカフェは、観光地の中心部から離れた場所や住宅街、山間部に点在しています。
バス路線が少ないエリアも多いため、レンタカー移動がベストです。
- Googleマップは正確でも、道幅が狭いこともあるため運転には注意
- 駐車場がない、または少ない店舗もあるので、事前に公式SNSやGoogleレビューでチェック
- 駐車場がない場合は近隣住民に迷惑をかけないよう路上駐車は避けること
2. 「島時間」を楽しむ心構えを持つ
沖縄では、都市部と比べて時間がゆったりと流れます。
料理の提供に時間がかかることも多く、急かすのはNGです。
- 混んでいても「待つ時間も楽しむ」くらいの気持ちで
- 声を荒げたり、過度に急がせる行為は避けましょう
- 予定に余裕を持ってスケジュールを組むのがポイント
3. 写真撮影マナーを守る
沖縄のカフェはフォトジェニックな場所が多く、写真を撮りたくなる気持ちはよくわかりますが、周囲への配慮を忘れずに。
- フラッシュ撮影は控える(特に他のお客様がいる場合)
- 店内の写真撮影は事前にスタッフへ一声かけると◎
- お客様の顔が写り込まないように注意
- 撮影に夢中になって長時間テーブルを占有するのは避ける
4. 騒がない、静かに楽しむのが基本
どのカフェも静かで落ち着いた雰囲気を大切にしています。
観光地にありがちな“にぎやかさ”ではなく、“ゆるやかなくつろぎ”が求められる空間です。
- 大きな声での会話は控える
- 小さなお子様連れの場合は、できるだけ静かに過ごせるよう配慮
- 店内での電話はできるだけ控える(どうしても必要なら店外へ)
5. ローカルを尊重する気持ちを持つ
最後に大切なのは、「訪れさせてもらっている」という謙虚な姿勢。
観光客だからこそ、地元に対するリスペクトを忘れないことが信頼と共存への第一歩です。
- 挨拶は「はいさい(こんにちは)」や「にふぇーでーびる(ありがとう)」など、沖縄の言葉でしてみると喜ばれることも
- カフェの文化やスタイルを“都会基準”で評価しない
- ゴミの持ち帰りや最低限のマナーはしっかり守る
おわりに
沖縄には、ガイドブックやSNSでは見つけられない、地元の人々に愛される“とっておきのカフェ”がたくさんあります。
観光客として訪れるだけでは見落としてしまうような、静かで、心温まる空間。
この記事でご紹介した10軒は、まさにそんな場所ばかりです。
沖縄のカフェは「観光地」ではなく「文化体験の場」
カフェは、単にコーヒーやスイーツを楽しむためだけの場所ではありません。
沖縄の自然や文化、人の温かさを五感で感じることができる、小さな“沖縄らしさ”の集まりだと思っています。
店主のこだわり、地元食材の味、流れる音楽、そこに集う人たちの空気感。
どれもが旅の記憶として、あなたの心に残るはずです。
最後に:地元からのお願い
この記事を読んで、もしどこかのカフェを訪れることがあれば、ぜひ一言、感謝の気持ちを伝えてください。
小さなカフェは、観光業に頼りすぎず、地域と共に静かに営業を続けているところが多いです。
「また来たい」と思える場所がひとつでも見つかったなら、この記事を書いた意味があると感じています。
あなたの“お気に入りの一軒”に出会えますように。
ぜひ、旅の途中でふと立ち寄りたくなるような、そんな“秘密のカフェ”を探してみてくださいね。
にふぇーでーびる!(ありがとうございました!)