こんにちは、管理人です。
Googleアナリティクス(GA)は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。ウェブサイトに訪問したユーザーの行動や属性、流入元などを可視化することで、サイト運営者が「誰が・どこから・何を目的に・どう行動しているか」を把握できるようになります。
例えば、以下のような情報が取得できます:
- 毎日・毎月どのくらいの人が訪れているか
- ユーザーはどの地域から来ているのか
- どのページが一番よく見られているのか
- どのページでユーザーが離脱しているのか
- スマホユーザーが多いのかPCユーザーが多いのか
これらの情報をもとに、サイトの改善点を見つけたり、効果的なマーケティング戦略を立てたりすることが可能になります。
なぜアクセス解析が必要なのか?
Webサイトを運営するうえで、「なんとなく更新している」だけでは成果につながりにくいものです。どんなコンテンツが人気なのか、どの導線が弱いのかを データの裏付け に基づいて判断することで、効率よく改善を進めることができます。
たとえば、以下のような活用が考えられます:
- ブログ記事のどのテーマが読まれているかを分析して、今後のコンテンツ企画に活かす
- SNSや広告の中で、どのチャネルから一番訪問者が来ているかを見て、施策の優先度を調整する
- サイトの表示速度が遅いページを特定し、ユーザー離脱を防ぐ対策を行う
アクセス解析は、「感覚」ではなく「根拠ある数字」によって判断するための重要なツールなのです。
無料でここまで分かる!主要機能の紹介
Googleアナリティクスは無料で使えるにもかかわらず、非常に多機能です。代表的な機能には以下のようなものがあります:
機能名 | 内容 |
---|---|
リアルタイム | 今この瞬間、誰がどこからアクセスしているかを確認できる |
ユーザー | ユーザーの年齢、性別、地域、使用端末などを分析できる |
集客 | どのチャネル(SNS、検索、広告など)から来たのかを確認できる |
行動 | どのページが見られているか、どこで離脱したかを分析できる |
コンバージョン | サイトの目標(購入、問い合わせなど)が達成されたかを追跡できる |
これらの情報を組み合わせて見ることで、「ユーザーの動き」や「改善すべき点」がはっきりと見えてくるようになります。
アナリティクスの導入方法
Googleアナリティクスを使い始めるには、いくつかの初期設定が必要です。とはいえ、手順通りに進めれば誰でも簡単に導入できます。ここでは、導入までの基本的な流れをわかりやすく解説します。
1. Googleアカウントの作成
まず、Googleアナリティクスを利用するには、Googleアカウントが必要です。すでにGmailなどを使っている場合は、そのアカウントでOKです。
もし持っていない場合は、以下の手順で作成できます:
- https://accounts.google.com/signup にアクセス
- 必要な情報(名前、メールアドレス、パスワードなど)を入力
- アカウントを作成
このアカウントが、Googleアナリティクスの管理アカウントになります。
2. Googleアナリティクスに登録する
アカウントの準備ができたら、Googleアナリティクスにサイトを登録しましょう。
- Googleアナリティクス公式サイトにアクセス
- 「測定を開始」ボタンをクリック
- アカウント名を入力(会社名やブランド名でもOK)
- プロパティ(サイト)名を入力し、レポートのタイムゾーン・通貨を設定
- 「ビジネスの概要」を選択し、「作成」ボタンを押す
この手順でアナリティクス用のアカウントとプロパティが作成されます。
3. トラッキングコードの取得と設置
サイトのアクセスを解析するためには、「トラッキングコード(タグ)」を自分のWebサイトに埋め込む必要があります。
【取得方法】
プロパティ作成後に「Googleタグ(gtag.js)」が表示されます。このコードをコピーしてください。
htmlコピーする編集する<!-- Google tag (gtag.js) -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXX"></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag('js', new Date());
gtag('config', 'G-XXXXXXX');
</script>
【設置方法】
このコードを、HTMLの<head>
タグ内に貼り付けます。
- WordPressの場合:テーマの「ヘッダー」テンプレート(header.php)に貼り付ける
- HTMLサイトの場合:直接
<head>
内に挿入
設置が完了すると、Googleアナリティクスがあなたのサイトの訪問者を追跡できるようになります。
4. データが反映されるまで
トラッキングコードの設置後、数時間〜24時間程度でデータがGoogleアナリティクスに反映され始めます。
設定後にすぐ確認したい場合は、左メニューの「リアルタイム」からアクセス状況を確認できます。
自分のスマホや別ブラウザでアクセスして、リアルタイムに反映されるかをチェックすると安心です。
これでGoogleアナリティクスの導入は完了です!
次回からはデータを見て、分析・改善に活用していくステップに進みましょう。
基本画面の見方
Googleアナリティクスの管理画面は初めて見ると少し難しそうに感じますが、見るべきポイントを押さえれば、意外とシンプルです。この章では、Googleアナリティクスの基本的な構成と、初心者がまず確認すべき指標を紹介します。
1. ホーム画面の構成
ログイン後、最初に表示される「ホーム画面」では、以下のような情報がダッシュボード形式でまとめて表示されています。
- リアルタイムユーザー数(今何人が見ているか)
- 今日・今週・今月のアクセス数の推移
- 人気のページや流入チャネル
- 新規ユーザー vs リピーター
- ユーザーの国やデバイスの情報
この画面だけでも、ざっくりとしたサイトの現状が把握できます。全体の雰囲気をつかむには、まずこのホームを定期的にチェックするのがおすすめです。
2. メニュー項目の意味と役割
左側のサイドメニューには、分析目的に応じたレポートが並んでいます。ここでよく使う項目を簡単に解説します。
メニュー名 | 主な内容 |
---|---|
リアルタイム | 今まさにサイトを見ているユーザーの情報 |
ユーザー | 年齢・性別・地域・デバイスなど、ユーザー属性の分析 |
集客(トラフィック獲得) | ユーザーがどこから来たのか(検索、SNS、広告など) |
行動 | ユーザーがどのページを見たか、どう動いたか |
コンバージョン | 商品購入や問い合わせなど、目標が達成されたかどうか |
3. よく見るべき基本指標
アナリティクスにはたくさんの指標がありますが、初心者がまず注目すべきなのは次の4つです。
✅ セッション(Sessions)
「訪問回数」のこと。同じユーザーが1日に何度も訪れると、その都度カウントされます。
✅ ユーザー(Users)
「訪問した人数」。同じ人が複数回来ても1人としてカウントされます。
✅ 直帰率(Bounce Rate)
1ページだけ見てすぐ離脱したユーザーの割合。高すぎると「興味を持たれなかった」可能性があります。
✅ 平均セッション時間(Avg. Session Duration)
1回の訪問で平均してどれだけの時間サイトに滞在したかを示します。長いほど「しっかり読まれている」可能性が高いです。
4. 指標の見方と注意点
- 指標は「良い」「悪い」ではなく、「なぜそうなっているか」を考えるのが大事です。
- 例えば直帰率が高いページでも、1ページで完結する情報(例:天気、電車の時刻)なら問題ありません。
- 逆に、複数ページ見てもらいたいサイトで直帰率が高いと、導線や内容の見直しが必要です。
基本画面と主要指標を押さえれば、Googleアナリティクスのデータを読む力がぐっと高まります。
次章では、具体的に「どのレポートを見れば良いのか?」を紹介していきます。
初心者がまず見るべき3つのレポート
Googleアナリティクスには多くのレポートがありますが、初心者が最初にチェックすべきは、以下の3つのレポートです。これらを見るだけで「誰が来て」「どこから来て」「何をしているのか」が一目瞭然になります。
1. ユーザー(どんな人が来ているか)
▶ 確認方法:
左メニュー「ユーザー」→「概要」または「ユーザー属性」「テクノロジー」
✅ 注目ポイント:
- 年齢・性別(ユーザー属性)
どの年代・性別に人気があるかが分かります。想定しているターゲット層とズレていないか確認しましょう。 - 地域(地理情報)
どの地域からアクセスが多いか。全国に向けた発信か、地域密着型かで見るべきポイントが変わります。 - 使用デバイス(テクノロジー)
スマホ、PC、タブレットなど。スマホユーザーが多いなら、モバイル対応がより重要になります。
2. 集客(どこから来ているか)
▶ 確認方法:
左メニュー「集客」→「トラフィック獲得」
✅ 注目ポイント:
- チャネル別の流入元
オーガニック検索(検索エンジン)、SNS、メール、リファラル(他サイトからのリンク)など、どの経路からの訪問が多いかを確認できます。
チャネル | 意味 |
---|---|
Organic Search | GoogleやYahooなどの自然検索経由 |
Social | TwitterやInstagramなどSNSから |
Direct | URLの直接入力やブックマーク |
Referral | 他サイトのリンク経由 |
Paid Search | 広告経由(Google広告など) |
- キャンペーンURLの活用
SNSやメールに貼るリンクに「パラメータ(UTM)」を付けると、どの投稿やキャンペーンが効果的かを追跡できます。
3. 行動(何を見ているか)
▶ 確認方法:
左メニュー「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」
✅ 注目ポイント:
- 人気ページ
どの記事やページが一番見られているかが分かります。今後のコンテンツ企画に活かせます。 - ページごとの直帰率・平均滞在時間
ユーザーがページの内容に満足しているかどうかを判断する指標になります。 - 離脱ページ
「どのページでユーザーがサイトから離れているか」が分かるので、改善のヒントになります。
ポイントまとめ:
分析項目 | わかること | 改善アクション |
---|---|---|
ユーザー属性 | 誰が来ているか | ターゲット層に合ったコンテンツ作り |
流入元 | どこから来ているか | 効果的な流入チャネルを強化 |
ページ閲覧行動 | 何をしているか | 人気ページを強化、離脱ページを改善 |
たったこの3レポートを毎週チェックするだけでも、サイト運営のクオリティが大きく変わってきます。
データの活用法 – 分析から改善へ
Googleアナリティクスは「見る」だけで終わらせてはもったいないツールです。
ここでは、実際のデータを使ってどのようにサイトを改善していけるか、具体的な活用方法を紹介します。
1. 流入経路を元に広告やSNS戦略を見直す
Googleアナリティクスで「どのチャネルからの流入が多いか」を確認することで、
力を入れるべき媒体や改善すべきチャネルが明確になります。
例:
- SNS経由の流入が多い → 効果的な投稿内容を分析して強化
- メルマガの流入が少ない → 件名や送信時間の見直し
- Google広告の直帰率が高い → ランディングページの見直しが必要
💡アクションポイント:
パフォーマンスの良いチャネルはさらに伸ばし、成果が出ていないチャネルは「なぜか?」を深掘りして改善!
2. 行動データからコンテンツを改善する
ユーザーがどんなページを読んでいるか、どこで離脱しているかを見れば、サイトや記事の質を改善するヒントが得られます。
例:
- 人気記事に共通するキーワードや構成をチェックして、他の記事にも応用
- 平均滞在時間が短いページ → 読みづらい?魅力が弱い?と仮説を立ててリライト
- 内部リンクの少ないページ → 他ページへの導線を追加して回遊率UP
💡アクションポイント:
「人気のあるものを強化」「滞在時間が短いページを改善」の2軸でPDCAを回す!
3. 離脱率・直帰率から課題を発見する
離脱率や直帰率が高いページは、ユーザーにとって満足度が低い可能性があります。
ただし、ページの性質によっては高くても問題ない場合もあるので、意図とズレていないかどうかを見るのがポイントです。
例:
- 直帰率が高いブログ記事 → 読了後に「次の行動」が提示されていない?
- 離脱率が高いお問い合わせフォーム → 入力項目が多すぎる?スマホで使いにくい?
💡アクションポイント:
「ユーザーに何をしてほしいか」を明確にし、ページの構成や導線を改善する。
データ活用の考え方まとめ
データ | 見る目的 | 活用方法 |
---|---|---|
流入チャネル | どこから来てる? | 広告/SNS戦略を最適化 |
ページ閲覧 | 何が読まれてる? | コンテンツの質を強化 |
滞在時間・離脱率 | 満足してる? | UI/UXや導線の改善 |
Googleアナリティクスは**「サイトの成績表」**のようなものです。
ただ数字を見るのではなく、数字の裏にある「ユーザーの声」に耳を傾けるつもりで活用することが大切です。
よくある疑問&トラブルシューティング
Googleアナリティクスを使っていると、「あれ?データがおかしい…」「この数字ってどう解釈すれば?」という疑問やトラブルに直面することがあります。
この章では、初心者がつまずきやすいポイントとその対処法を紹介します。
1. アクセス数が急に減った!なぜ?
✅考えられる原因:
- トラッキングコードが外れた/誤って削除された
→ サイトのコードを確認し、gtag(トラッキングコード)が正しく設置されているか確認しましょう。 - URL構造の変更やページリダイレクトの影響
→ ページのURLを変更した場合、過去データと切り離されて表示されることがあります。 - Googleの検索順位変動やアルゴリズム更新
→ SEOに大きく依存している場合、検索順位が下がったことによる影響も考えられます。
対処法:
- 「リアルタイム」レポートで現在のトラッキング状況を確認
- Googleサーチコンソールと併用して、検索トラフィックの動向をチェック
- 定期的にバックアップとしてデータをエクスポートしておく
2. 自分のアクセスを除外したい
運営者自身がサイトをよく見ると、そのアクセスがカウントされてしまい、正確なデータが取れません。
✅ 除外する方法:
- IPアドレスを除外する(固定IPがある場合)
「管理」→「データ設定」→「フィルタ」→ 新しいフィルタを作成し、自分のIPを除外 - GoogleタグマネージャーとCookieを使う方法
より高度な設定ですが、変動IPの場合はこちらが有効です
注意: Wi-Fiやスマホの通信環境によってIPが変わることがあるので、定期的に確認しましょう。
3. トラッキングがうまくいっていないときのチェックポイント
データが記録されていない、急にゼロになった場合は、以下を確認しましょう。
✅ チェックリスト:
- トラッキングコードがすべてのページに正しく設置されているか?
- GoogleアナリティクスのプロパティID(G-XXXXXX)が間違っていないか?
- サイトのキャッシュが古いコードを読み込んでいないか?
- JavaScriptが無効化されていないか(コードがブロックされていないか)
✅ テスト方法:
- ブラウザの「シークレットモード」でアクセスして、リアルタイムレポートに反映されるか確認
- Google Chromeの拡張機能「Google Tag Assistant」や「GA Debugger」を使用すると確認が簡単です
よくあるその他の質問
質問 | 回答のポイント |
---|---|
Q. GA4とユニバーサルアナリティクス(UA)の違いは? | 現在はGA4が標準。UAは2023年でサポート終了。構造やレポート方法が異なるので注意。 |
Q. 目標設定(コンバージョン)はどうやってするの? | 「管理」→「イベント」→「コンバージョンにマーク」で簡単に設定可能。 |
Q. 特定のページだけデータが取れてない! | そのページにコードが正しく設置されているか確認。または非公開になっていないかチェック。 |
Googleアナリティクスは高機能なツールゆえに、最初は戸惑うこともあります。
ですが、原因を一つ一つ潰していけば確実に使いこなせるようになります。
「分からないことがあったら調べてみる」この姿勢が、データ分析の第一歩です!